当方は競泳を指導していた経歴があります。
自身も過去には、マスターズ大会などへも出場しておりました。
文字通り、水泳の世界にドップリと浸かっていた人間から見て、水泳は子供から老人まで楽しめる素晴らしいスポーツだと思います。
水泳は良い運動だ
では水泳は何故子供や老人にも楽しめるのでしょうか?
ウェイトトレーニングは、自分の最大筋力付近の負担をかける事によって、筋力を向上させる事が出来ます。しかし負荷が強すぎると筋肉痛になる可能性も高いです。
他の陸上スポーツは固体との接触を避ける事は出来ません。転倒したり対人、対物に接触する事で、打撲や挫傷、捻挫などのケガをする可能性があります。
一方、水の抵抗はゆっくり押せば軽く、速く押せば重くなります。つまり水泳は、自分の筋力以上の負荷がかからないスポーツなのです。更に固体との接触はスタート、ターン、タッチ以外には起こりにくく、その分陸上での運動と比較すると、ケガをする可能性が低いです。これが力の弱い子供や老人でも、水泳を楽しむ事が出きる理由です。
他にも水泳は、呼吸器系のトレーニングになりますので、心肺機能が強化され、持久力がつき、疲れにくい体を手に入れる事ができます。喘息疾患に対しては、呼吸筋を鍛える事が出来ますし、プール内での湿気は痰を出し易くなるなどの効果もあります。
何よりも水泳は「汗くさくない」と言う、他の陸上競技には無い魅力があります(もちろん汗はかきますが)。これは意外に思うかもしれませんが、個人的に重要な要素だと思っています。
注意したい水泳のケガ
こんなに素晴らしい水泳ですが、特徴的なケガがいくつかあります。
- 飛び込んだ際にプールの底に頭をぶつけたり、
- プールの壁へのタッチをミスしてつき指したり、
- ターンの際に踵をぶつけたり、
- 他の泳者と衝突したり、
と固体と接触するときにケガをする可能性があります。水泳は裸に近い状態で行ないますので、これらのケガは出血、感染などの危険も伴います。
スイマーズ・ショルダーとは
そしてある程度泳げるようになると、肩を痛めることがあります。俗に
「スイマーズ・ショルダー」
と言われる疾患です。当方も右肩を痛めた経験があります。多くはクロールの反呼吸側の肩に発生しやすいのですが、背泳ぎでも、バタフライでも発生する場合があります。
リカバリーの際、無理な角度で行なうために、三角筋の下層にあるローテーター・カフ(特に棘上筋)が、肩甲骨と上腕骨に挟まれて炎症をおこしている状態です。
スイマーズ・ショルダーの対応策
対策としては、ローリングをしっかり行うようにしたり、呼吸側を変えるのが一般的ですが、それでも痛い場合には、練習後にアイシングをしたり、痛みの酷いときには練習を休むことも必要です。
リカバリーの初動で、手の甲を前に向けて戻そうとすると、上腕骨が外旋せずに、肩峰と上腕骨頭で棘上筋を挟み易くなってしまいます。
クロールの場合、リカバリーは親指側から戻すように意識しましよう。入水のときは指先から泡を掴まないようにすればOKです。無理に手のひらをに外へ向ける必要はありません。
バタフライはリカバリー時に小指を上にする必要はありません。手の平を水面に向けるようにしましよう。このようにリカバリーする事によって、筋肉の挟み込みを防ぐ事が出来ますし、無駄な力が入ることもなくなります。
参考動画
リハビリとして一般的に言われるようなストレッチは、よけいに炎症させる可能性もありますので、動作に痛みが伴う時には行わないようにして下さい。
スイマーズ・ショルダーで効果的なのはチュービングです。気をつけの姿勢から、45度くらいまで腕を真っ直ぐにゴムチューブを引っ張ってみて下さい。この角度では肩の大きな筋肉(三角筋)よりも、下層にある筋肉(棘上筋)が収縮します。これにより腕を挙上する動作時に、棘上筋がしっかりと収縮し、肩甲骨(肩峰)と上腕骨による挟み込みを回避できるようになります。
それでも痛い場合は
これでも痛みが残るような場合には、ステップカイロプラクティックにお任せ下さい。関節の動きをつけつたり、下層の筋肉を使えるようにする施術が効果的です。更には肩甲骨の動きを良くする事で、肩関節への負担を減らし、痛みを軽減、症状を回復する事が出来ます。